PEAKFORM代表のブログ

リハビリテーション×○○○を考えながら、新たな価値観を創造していけたら良いいな。雑多な事から理学療法士としての記事まで色々書いていけたらと思います。

子どもと運動との関係について

現在世界で問題となっているのが、子どもの身体活動量の低下です。子どもの身体活動量あるいは運動負荷は子どもの運動発達に極めて重要であることがわかっています。日本では1週間あたりの身体活動実施時間が420分(1日60分×7日間)未満の者が3~4割を占めていることが分かっています(厚生労働省 . 厚生労働科学研究費補助金(循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究事業)分担研究報告書:日本の子ども・青少年における身体活動・座位行動の実態および諸外国における子ども・青少年に対する身体活動・座位行動指針の策定動向 https://mhlw-grants.niph.go.jp/system/files/report_pdf/202009034 A-buntan9_0.pdf

 今日は子どもと運動との関係について書いていこうと思います。

子どもの遊び時間はデジタルデバイススマホタブレット、ゲーム機等)を使用した遊びの割合が一番多くなっています。公園では遊具の使用やボールの使用などが禁止され、子どもたちが思いっきり走り回れる場所も少なくなって来ています。「屋外での遊び」自体がイベントごととなって来てしまっているご家庭も多くなってきているのではないでしょうか??

 子どもの運動発達に重要なのが、運動スキルの獲得です。これを専門的には基本的運動スキル(Fundamental Movement Skill: FMS)と呼びます。FMSは,さまざまな専門的運動能力の基礎となる,走る・投げる・跳ぶなどの基本的な運動スキルを示しており,フィジカルリテラシーの基礎となるものとされています。フィジカルリテラシーとは,「生涯にわたって運動やスポーツを継続し,心身共に健康で幸福な生活を営むことができる資質や能力」といわれています。(文部科学省 . 第 3 期スポーツ基本計画 p32 https://www.mext.go.jp/sports/content/000021299_20220316_3.pdf)このFMSを獲得していくためには身体活動量のみでは対応が難しいことがわかって来ています。この獲得には、ただただ体を動かすことだけではなく、様々な要素が組み合わさった複雑な運動を行なっていく必要があることが提唱されています。

また、発達性協調運動障害が近年話題となっています。これは子どもの「運動の不器用さ」として表出され、具体的には幼少期の運動発達の遅れ(はいはい、歩行開始の遅れ)。ふらふら歩く、すぐ転んでしまう。体が柔らかく姿勢が崩れやすい。スポーツが苦手。よく物を落とす。箸やはさみが使えない。書字が苦手・汚い。発音が苦手などが挙げられます。この発達性協調運動障害は見過ごされていることが少なくないとされています。子どもが抱える不自由感に周りの大人が気づいてやれない状況が多いことが問題視されています。

 このように子どもの運動能力に関わる課題には、基礎的な運動能力を身につけるための身体活動量や負荷量の低下に加え、さらに発達性協調運動障害などが潜んでいる可能性を見極められることが含まれてきています。

 この課題を解決する取り組みとして、現在、学校では運動器健診が行われることが義務化されています。しかし、健診の結果問題があった場合でも、どのように対応していったらいいかについては、情報も少なく、「経過観察」の指示で、何をどうするれば良いのか悩んでいる親御さんも多いと思います。原因が定まれば適切な対応を受けることが出来ますが、これに気付けない場合、お子さんは不自由感を抱えながら過ごしていかなければなりません。

 ライフスタイルの変化により、現代の子どもと運動との関係性は一昔前より重要となってきています。子どもの運動発達は運動のみにかかわらず、脳の発達、社会性の発達、知能の発達にも関連を持ち、重要であることがわかっています。運動の苦手意識や不器用さ、これらの原因を把握し、対応していくことが求められています。子どもの健やかな成長は全ての親御さんの願いだと思います。運動の楽しさや、身体を動かす事の心地よさに子ども自身が気づいていける様、親御さんがデジタルから離れることからはじめ、子どもと思いっきり運動をする機会を作ること。実は今、子どもの健やかな成長に1番大切な事なのなのかもしれません。

子どもの運動に対するお悩みもPEAKFORMにご相談ください。運動の本来の楽しみに気づける様サポート致します。

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