PEAKFORM代表のブログ

リハビリテーション×○○○を考えながら、新たな価値観を創造していけたら良いいな。雑多な事から理学療法士としての記事まで色々書いていけたらと思います。

専門性とは何か?

 辞書を引くと、「専門」という言葉の意味は「限られたある範囲を集中的に研究・担当などすること。また、その学問や事柄。」と説明されています。この専門の性質が「専門性」ということになると思いますが、専門性とは「高度な知識や経験を要求されること、またはその度合い」となってくるわけです。

 時代の進歩とともに、この専門の領域は細分化されてきています。これは、学問・研究の分野の進歩によるものが大きく影響してきた部分だと思います。

 療法士界隈においても、〜専門〇〇療法士、〜認定〇〇療法士など、疾患で区別された専門を謳う制度が構築されてきています。

 さて、ここで重要となってくるのが、「専門性」という言葉の意味です。上述したように、専門性とは「要求される高度な知識や経験」を指します。専門性とは求められる能力のことなんですね。これに対して、「専門」は個人が備えている能力なわけです。ここが一致してしていて初めて、「社会的な意義」となるんだと思います。何が言いたのかと申しますと、リハビリテーションの医療の現場に「医学」以外の専門性って必要ですか?ってことです。リハビリテーションにも〜療法や、〜コンセプトなど、多くの考え方や手技が存在しています。果たしてこれらは医療に求められる専門性なのか?私は、一部ではあるけれど、本当に求められていることではないと思っています。

 〜専門療法士や〜認定療法士などのいわゆる疾患別の専門性は、医学そして、リハビリテーション医学の普遍的な領域を勉強した上で語るべきものです。療法士の専門性の土台は医学であるべきですし、社会のニーズに応える専門性は間違いなくここにあります。しかし、療法士養成校の教育のみではこの医学という部分の勉強は圧倒的に不十分です。医師が勉強している内容・量に比べると圧倒的に劣っています。医師と協働しなければならないのにも関わらずです。

 これが、療法士が社会に出た際に、まずぶち当たる最初の壁です。ここで、医師と仕事のできる環境にあれば、医学の本質を学ぶことができると思います。しかし、そうでなければ、〜専門や〜療法など、医学の先にあるものに対してが入り口となってしまうのです。これは極めて危険な状態を作り出す可能性があります。

 患者に必要な治療は検査そして診断により決まりますが、この道程を理解できないと、それは治療と呼べるものではなくなってしまいます。客観的な検査結果から診断し、最良の治療法を選択するのが医療の原則です。

 この原理を理解せず、自身のコンセプトに当てはめるような思考で療法士がリハビリテーションを行なってしまうと、それは誤診による介入になる可能性が多いにあるわけです。

 医学の土台の上にさらに技術や有用なコンセプトを成り立たせていくこと。これが専門性を育む上で一番重要なことではないでしょうか?